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パックラフトとは?
パックラフトはインフレータブルラフトの一種で、一言で表すなら「小型で高性能なゴムボート」です。
重さは3kg程度で車が無くても持ち運ぶことができるので、トレッキングや、自転車など、ラフティングのスタート地点までのアプローチも含めた、新しい組み合わせのアウトドアでの遊び方を発見できます!
川下りの途中でも、水位の低い場所はパックラフトを膨らませたまま歩いて移動できます。川下りのおいしい場所だけつまみ食いできる自由さもいいですよね。
素材は、2重コーティングしたポリウレタン樹脂。多少の擦れにはダメージを受けませんが、とがった岩などで強い衝撃を与えるとピンホール・破れが発生します。
パックラフトの状態には常に注意して、穴が開いたときは、付属のリペアセットで修理してお使いください。
前方には4つのDリングがあるので、バンジーコードなどでバッグを固定したり、短時間の係留などに使用できます。
デッキ付きタイプは、ホワイトウォーターでのアクティブなパドリングに最適です!デッキ無しタイプは、ラフト内に水が入りやすいですが、水がたまってもラフトをひっくり返してダイナミックに排水できます。
この夏は、パックラフトで新しいアウトドアルートを開発しましょう!
パックラフトの機能や性能
パックラフトで重視すべき機能や性能についてご紹介します。
【性能】直進性
同じ力で漕いだ時に、どれだけ前に進めるかという性能です。
パックラフトはカヌーやカヤックに比べて丸っこい形状のモデルが多く、漕いだ時に船の向きが右に左に振れてしまうのでブレーキになってしまいます。
流線形で鋭くとがった形状のモデルは直進性を重視した設計になっています。
【性能】回転性・旋回能力
船の向きを簡単に変えられるかという性能です。
回転性の高いモデルは軽い力で旋回することが出来るので小回りが利く反面、前に進もうとした時にも回転してしまうので直進性とトレードオフとなっています。
船首が丸っこくなっているモデルは回転性を重視した設計になっています。
【性能】安定性
バランスを崩したときに転覆しにくいかという性能です。
安定性が高ければバランスをとるための体力が最小限になるため、ゆったりと乗ることができます。
また安定性の高いモデルは積載能力が高いことが多いです。安定性を上げるには船を大きくする必要があるため、直進性・回転性とはトレードオフになります。
【性能】剛性
船に対して大きな力が掛かった時に、いかに船が変形しにくいかという性能です。
パックラフトは平たく言えばゴムボートなので、ホワイトウォーターで波にぶつかったときなどに変形してしまい、それがブレーキになってしまいます。
剛性が高ければ波を乗り越えたり切り裂いたりしやすくなり、スピードが落ちにくくなります。
【機能】ロッカー
船の前や後ろの部分を少し上げ、反ったような形状のことを指します。
ロッカーがあることにより、前からの波を乗り越えやすくなったり、大きい瀬を降りるときに水面に刺さりにくくなったりします。
その効果からホワイトウォーターを意識したモデルに多い形状です。
その反面、ロッカーがあると水面とフラットに接していないため安定性が落ちてしまいます。
【機能】セルフベイラー
船底に付けられた水抜き穴を指します。
ホワイトウォーターで水が入ると、船が重くなって直進性・回転性が落ちてしまいます。
これを防ぐために、船底に水抜き穴を付けることで一定以上の水を自動的に排水してくれる機能を付けたモデルをセルフベイラーモデルと呼びます。
デメリットとしては、船底に穴が空いているので常に一定量の水が入った状態になるため、静水では向いていません。
【機能】デッキ・スカート
水の侵入を防ぐためのカバーを指します。デッキが船に取り付ける大きい方で、スカートは人間に取り付ける方です。
デッキとスカートをきっちり取り付ければホワイトウォーターで水が掛かっても侵入を最小限に抑えることが出来ます。
メリットは大きいですが、船の乗り降りが面倒になるだけでなく、転覆した時に脱出しにくくなるので事前に練習が必要です。
このような特徴からホワイトウォーターをガンガン下るのに特化した機能と言えます。
【機能】スケグ
船底に取り付けるフィンです。これを取り付けることにより船の左右の振れを抑えて直進性を上げることが出来ます。
左右の振れを抑えることになるので回転性は落ちてしまいます。
【機能】気室
空気を入れる部分が何部屋に分かれているかを指します。
GRIFFON RAFTの一部モデルでは、他社ではあまり見られない2気室構造を採用しています。
万が一、片方が空気漏れしてしまっても片方で浮いていられるため、もしもの時の安全性向上になっています。
また前後で気室を分けることにより剛性が向上しています。
【機能】Dリング
荷物を固定するためのリングです。
元気商會のGRIFFON RAFTは川旅を意識した設計にしているため、Dリングの数と位置にもこだわっています。
【機能】ISS(Internal Storage System、別名・カーゴフライシステム)
本体のチューブ内に収納スペースがあり、邪魔な荷物をチューブ内にしまうことでパドリングの妨げにならず、向かい風の影響を軽減することも出来ます。
また、荷物をパックラフトの上ではなくチューブ内に配置することによってパックラフト全体の重心が低くなり、安定性が増すという効果もあります。
更に、荷物を防水バッグに入れて収納すると、万が一チューブの空気が抜けてしまっても収納した荷物が浮力体として働くので多少は浮いていることができます。
注意する点として荷物を出し入れするには一旦チューブの空気を抜く必要があるので、どの荷物をISSに収納するかが重要となります。
GRIFFON RAFTシリーズの特徴
【万能型】ストレウス
川旅からホワイトウォーターまでオールラウンドに楽しめる万能型です。
万能型ということで直進性・回転性・安定性のバランスを取りつつ、川旅に嬉しい機能を追加したモデルとなっています。
使いやすいモデルなので、「最初の1艇を何にするか決められない」という方にもオススメです。
全てのバランスを考えた形状
程よく付けられたロッカー(船の反り)により走破性と回転性を向上し、前後に延びたチューブと考えられた船幅は安定性を高めています。またバウ(船首)の形状は波当たり、波切りを考えた作りになっており、ラフト内への水の侵入も軽減します。
積載能力
外側に12個付けられたステンレスDリングは頑丈で、バックパックの固定だけではなく自転車を積んで川を下るバイクラフティングにも対応します。
2気室構造
2つのチューブを組み合わせた2気室となっており、万が一片方のエアーが抜けてもラフトが完全に沈んでしまうことはありません。
着脱可能なスケグ
付属品には、取り外しできるスケグとマウントが標準で付属している為、長い距離を下る時・風が強い時など、直進性が必要となる時に効果を発揮します。
【探検特化型】エクスプローラ
探検で使う道具という目的に特化したモデルです。
「未知の領域の探検なので水場があるかわからない。ないかもしれないが準備はしておきたい」という時を想定した設計になっています。
船の性能としては他の艇にやや劣り、他社の超軽量モデルに比べるとやや重いので中途半端に見えるかもしれませんが、現役探検家が「探検に最低限必要な機能は何か」を徹底的に追求して設計しています。
探検を目的とした船なので、純粋に川を楽しみたい方には向いていないかもしれません。
積載能力
探検に必要な道具と人間を載せても問題ないレベルのサイズ・積載能力になっています。
船の形状は、必要とされる積載能力・安定性・操作性を確保した上で限界まで小さくなるよう設計しています。
また探検道具を柔軟に載せられるよう、船全体にDリングを多めに取り付けています。
付属品も簡単に着脱可能なシートのみというシンプルなセットにしています。
強度と軽さの両立
探検で使うことを考えると強度が必要になるため、素材はあえて通常モデルと同じものを採用しています。
軽くするだけなら薄い素材を使えばいいのですが、すぐに穴があいて使えなくなるようでは探検では使えないと考えています。
安定性・回転性を重視
小さいながらもコックピットは広めに設計しており、大人でもゆったり乗ることが出来ます。
また狭い水場でも柔軟に動けるよう、船首は回転性を重視した設計になっています。
【ホワイトウォーター寄りの万能型】ラルガ
「川を上流から下流まで漕破(走破)する」ことを目的としたモデルです。
他社のセルフベイラーモデルをサーキット用の自動車に例えるなら、ラルガは悪路を走破する4WDです。 セルフベイラーの付いた船でホワイトウォーターもガンガン楽しみたい、という方にオススメしています。
ライズフロアーシステム
セルフベイラーモデルは静水でも一定量の水が入ってきてしまいます。川旅という目的を考えると、長時間水に浸かり続けることによる低体温症のリスクは軽減すべきです。
そのために開発したのがライズフロアーシステムです。船底を5cm上げることにより水の侵入を大きく減らすことが出来ます。
お尻が水に浸からないセルフベイラーの良さは、長時間の川旅で特に顕著に感じられると思います。
積載能力を意識した形状
川旅を目的としているので、積載能力にはこだわって設計しています。
他社のセルフベイラーモデルに比べると、幅が大きくロッカーも抑え目なためホワイトウォーターでの性能は劣っていますが、バイクとキャンプ道具を載せても悠々とホワイトウォーターを下れるだけの積載能力があります。
ロッカーを抑えることによって荷物を積んだ時にバランスを崩しにくく、載せるスペースが水平になっています。
また船の幅を大きくすることでバイク等の大きな荷物を載せやすくしています。
Dリングも16個と他社よりもかなり多く取り付けているので、柔軟なパッキングに対応できます。
モーターボートのステムのような船首
荷物の積載を意識してロッカーを抑えているため、船首はモーターボートのステムのような形状にしています
この形状により荷物の重みを生かして波を切り裂くように進むことが出来ます。
2気室構造
チューブはストレウスと同じく2気室構造となっています。
2気室構造により剛性が向上しているので、船首形状と合わせて波を切り裂きやすくなっています。
当店の商品のスペック一覧
元気商會HP - パックラフトの性能比較